2012年11月1日木曜日

ハナ信用組合創立10周年記念特別公演〜フォトアルバム②


このブログの写真はユン・チスさんからご提供いただいたものです。ユンさんありがとうございます!!

HANA-3 〜 信じること
人には誰しも、過去、現在、未来に於いて、それぞれ数え切れないほどの幸せと悲しみを抱き生きている。
そして幸せなことはみんなで共有出来るが、悲しいことは共有出来ないと思っている。
でも悲しみを嘆くのではなく、悲しみは喜びに変えることが出来ると信じて生きている人がいる。
どんなに辛くてもどんなに悲しくても、自分を信じて歩けば必ず喜びは訪れる。幸せに変えることが出来る。
先天性の重度の病魔に苦しむ愛する娘を世界に誇るピアニストに育てた母の思い。
自らその思いを受け止め、両手2本ずつの指と、足が膝までしかない自分を悔いることなく、
ピアノ・音楽という道で自分だけでなく全ての人々に幸せを与えるイ・ヒアさんが、
今を、そして未来を生きる人々へメッセージを投げかける。

自作の詩の朗読でウリハッキョと在日への思いを語ったクォン・ヘヒョさん。
ヘリョンさんの紹介で明るくさっそうとステージに登場し観客の皆さんに挨拶をしました。
のっけから人々をぐいぐい惹きつける魅力的なトーク。さすがです。



そして、今回のスペシャルゲスト、イ・ヒアさんの紹介です。
まずはヒアさんの紹介映像。そして舞台が明るくなると拍手喝采の中ヒアさんがステージに登場しました。


正直に云うと演出をする上でイ・ヒアさんの登場シーンに悩みました。
しかしヒアさんのことを色々と知る中で、この悩みは私の浅はかさから来るもので悩みなどと言えるものではないことに気づきました。
そしてそのままの彼女を人々に見ていただくことが一番大事なことだと悟りました。

手を振ると各々2本の内の1本の指は、全く骨格がないのではと思えるほど大きく縦横に振られるのが解ります。

この指でどうやってピアノを弾くのだろうと思いきや、驚くほど力強く鍵盤を叩き、そして滑らかに情緒たっぷりにあの名曲を奏で始めたのです。

ショパンの名曲且つ難題曲である「幻想即興曲」。圧巻です。





クォン・ヘヒョさんとイ・ヒアさんのトーク。二人の暖かい心の交流が微笑ましく、暖かく、そして嬉しかったです。
そして、二人で「上を向いて歩こう」の歌のデュエット。
正にこの公演のテーマに、そしてこのシーンにぴったりの歌の選曲でした。
ここで裏話一つ。
この公演のために夏のソウルに行き韓国側の出演者と打合せをした際のこと。
その時私はイ・ヒアさんのピアノ伴奏でクォン・ヘヒョさんに歌を歌ってもらうというプランを考えていたのです。
そしてどの歌を歌おうかクォンさんと二人で思案していたのですが、その時クォンさんから突然「上を向いて歩こう」ってどういう歌?と聞かれ、その由来や大震災の後人々の癒しの歌として誰もが歌っていることを伝えたところ、これを歌おうということになったのです。さっそく翌日ヒアさんにこのことを伝え、ピアノ伴奏用のスコアを準備すると伝えると、実はヒアさんも自分のコンサートでこの歌をよく歌っているというのです。これは二人のデュエットしかないと思い、
さっそく歌劇団の音楽監督の高さんに連絡し、歌劇団で楽団がこの伴奏が出来るか聞いたところ、歌劇団で演奏しているしスコアもあるとの返答をもらうことが出来たのです。世の中こんなにとんとん拍子にことがうまく運ぶこともあるんだな〜と、この公演ひょっとしたら何かにしっかり守られているのかも、間違いなく行けるかもと、その時直感的に思いました。

これが、映画のワンシーンを見ているかのような、素敵な、ハートフルな二人のデュエットシーンの写真です。






ヒアさんのメッセージ。「無いものを嘆くのではなく、今あるものを大切に育てたい。」
究極のメッセージでした。
公演が終わった後にヒアさんは舞台の袖でしばし舞台上で交流をする出演者たちを楽しそうに眺めていました。
私はその時ヒアさんの元に近づき感謝の言葉を述べ、あなたが舞台に登場すると何故か劇場全体が光がさしたように明るくなった気がしたと伝えました。
そして彼女の一言に思わず涙しました。
「きっと神様がそうしてくれているんです。」


HANA-4 〜 夢・未来へ
未来を担う子どもたちへ。
世の中がどんなによどんでいても、
大人たちの心がどんなに荒んでいても、
前をしっかり向いて自分を信じて思い切りはじけて欲しい。
自分の国が二つに分断され、半世紀以上敵対の中でいがみあっていても、
たとえこの地に蔓延するあらぬ差別や迫害に自分がさらされることがあったとしても、
私たちの心は一つと信じて、自分たちがその未来を変えてみせるということを生き甲斐にして欲しいと願う。
君たちの夢の未来が現実になることを心から願う。

この公演の演出方針の大きな要素の一つが、はじけちゃえ! 客をびっくりさせちゃえ! でした。
何故なら子どもたちが一番好きなことが、何の迷いもなくはじける、いたずらで人を驚かせる、思いっきり笑い思いっきり泣く。
これが出来る子は沢山の愛情に包まれていることの証です。
そんな子どもたちの、楽しくてしょうがない感情の世界を表現してみたくてこのシーンを挿入しました。
南から来た大人気のラストフォーワンの若くはじけまくったブレイクダンス。
在日屈指の金剛山歌劇団の優雅で粋で素晴らしいテクニックに彩られた朝鮮舞踊。
そしてウリハッキョの笑顔たち。
これをハナにしてみよう。全部はじけて夢の世界をつくろう。
これがこのシーンのコンセプトでした。









そしてブレイクダンスと朝鮮舞踊がハナになり、会場は大歓声の渦に巻き込まれました。
4人がいきなり満面の笑みでオッケチュムを踊り出した時、朝鮮舞踊の二人がブレイクダンスを踊りはじめた時、そして怒濤の回転&ジャンプシリーズから最後の決めに至るまでの観客の反応に、「やったー!」と思いました。






クォン・ヘヒョさんもキム・ヘリョンさんもめちゃめちゃ楽しそう!
クォンさんは舞台袖で一緒に踊っていて、汗びっしょりになって舞台に出てきましたね。マイクを通して叫び声も聞こえていました。


最後に残ったハナ〜それが未来のハナです。
さあ、いよいよ子どもたちとラストフォーワンの夢の共演です!
お気づきかどうか、子どもたちが歌い踊ったこの曲は、ハナ信用組合創立10周年のテーマソングです。
子どもたち頑張りました!忙しいハッキョ生活の中でも毎週1回午後に練習をし、私も必ずその日はハッキョに赴き子どもたちと楽しく過ごしました。
















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