2012年10月31日水曜日

ハナ信用組合創立10周年記念特別公演〜フォトアルバム①

ハナ信用組合創立10周年記念特別公演のレポートです。
どうぞお楽しみください。
※このブログに掲載されている写真は、ユン・チスさんよりご提供いただいたものです。
 ユンさん、ありがとうございます!!


オープニング序曲
大空を美しい光が飛び交うかのような爽やかなオーケストラの演奏で始まったオープニング序曲。
金剛山歌劇団のスターミュージシャン、崔栄徳さんが吹くチャンセナプのノリノリのサウンドが、オーケストラの迫力のある演奏と絶妙なハーモニーを醸し出した瞬間でした。聴いているこちらも大空に飛んでいきそうなスケールの大きい気持ちの良い演奏でした。




MCキム・ヘリョンさん
記念式典に引き続き、暖かく若さ溢れる司会として、巧みな通訳として好評を博したキム・ヘリョンさん。



HANA-1 〜 FUSION FOR KOREA AND JAPAN
朝鮮半島と日本の伝統の音と肉体がハナになる瞬間。
遠く太古の昔の風が大陸から吹いてきてこの地に吹く風と混ざり合って竜巻を巻き起こしたような気がした。
渋さと華やかさが共存しながら、五感を見事に刺激させた素晴らしい演奏。
コムンゴ〜河栄守さん、三味線〜木村俊介さん、和太鼓〜高篠雅也さん。これ以上ないすごい組み合わせです。 
夜な夜な歌劇団の練習室にお三方が集まり、練習を重ね創りあげた作品です。












HANA-2 〜 永久に伝えること
東北大震災の悲劇に見舞われた人々の癒えることのない悲しみ。
それは日本人であろうと在日であろうと同じ。
けれども世の中というものは、見ようとすることと見なければならないにも関わらず敢えて見まいとすることの両方が共存する不条理なもの。そしてその不条理の中で一方の人々の苦しみや悲しみは平気で置き去りにされ忘れ去られていく。
忘れてはいけないこと。永遠に語り継がれなくてはならないこと。
在日とは、ウリハッキョとは、そして未来とは。
この日のために来日したクォン・ヘヒョさんが、自ら書き下ろした詩集「私の心の中の朝鮮学校」から、被災後の東北の朝鮮学校を訪ねた時の思いを語ってくれました。
悲しみを乗り越える人々に勇気づけられる自分の思いを、淡々としながらも情感溢れる語りで表現していただきました。
この時のバックの音楽は、今回のヴァイオリン奏者でコンマスを務めた在日アーティストの貴公子、チェ・ソンイル氏自ら作曲編曲を担当しました。
そして、ルンヒャンさんのピアノ弾き語りへと繋がります。
「明日を願うなら」。メロディの美しさもさることながら、歌詞が素晴らしいです。
そしてルンヒャンさんの魅力的な歌声とその繊細でおだやかな雰囲気に、観客は酔いしれました。






バックの桜の花の映像は、一輪の花を持った数百人のウリハッキョの生徒一人一人のポートレートが集まって、ハナの大木に成長することを表現したものです。このポートレートの構想は元々ウリハッキョの美術の先生たちが考えたものと聞きました。
素晴らしい感性に脱帽です。




2012年10月30日火曜日

ハナ信用組合創立10周年記念特別公演を終えて

2012年10月28日
寒々しい雨の日比谷に、歓喜の花が美しく、大きく、花開きました。

ハナ信用組合創立10周年記念特別公演
The Raod of Dream 〜夢・未来へ



コリアと日本、そして未来の子どもたちの
平和を願う人々の心が
見事に하나(ハナ/一つ)になった音楽とダンスの祭典。
出演したアーティストたちも、
4000人を越える観客たちも、
共に笑い、共に涙し、
共に感動を分かち合った
夢のような1日でした。

改めてご出演いただいた全てのアーティストの皆様に、心から感謝の言葉を捧げます。
皆さんの素晴らしい才能と情熱、そして熱い想いがハナになり、大輪の美しい美しい花となり咲き誇った一日でした。
そしてご来場いただいた会場いっぱいの観客の皆様にこれほどまでに喜んでいただけたことに、言葉にいいつくせないほどの感謝の思いでいっぱいです。

余談ですが、この公演の企画は実は昨年起こった東北大震災の、正にその時に始まった企画です。
ハナ信用組合創立10周年の記念行事の初の企画会議のその日、私は組合本店に向かうために、新宿の高層ビルの間の道を歩いていました。本店があと目と鼻の先というところであの恐ろしい大震災に巻き込まれました。そして、あれから約1年半の月日を経て、ようやく本番を迎えることが出来ました。

 その間、私たちの暮らす日本という社会はどんどん閉塞感に苛まれ、弱いものを切り捨てることが平然と行われ、人の心を踏みにじり、鼻息荒く根拠のない強気だけの政策論をまくし立てる、そんな者たちがこの社会の人気者と崇め奉られる、きな臭い世の中になりつつあります。
その者たちの共通点が他者を排除し厄介者扱いすること。

そんな中でウリハッキョを取り巻く環境は、益々厳しくなる一方です。
それでもこの間私は、揺らぐことなくウリハッキョの子どもたちのために全ての力を注いでいる素晴らしい方々に沢山出会うことが出来ました。
どれだけの苦労を重ねても、ハッキョと子どもたちを守るために力を惜しまない在日の人たち。
この公演に出演した韓国の親友たちや私たちと心を共にする多くの韓国の人たち。
ウリハッキョを守るために全ての情熱を捧げる日本の人たち。
それぞれの熱い心を結びつけること、これこそが本当の絆でありそれを牽引するのが私たち在日ではないだろうかと思いました。
そしてその絆が未来に生きる在日の次世代を守る柱になると思いました。
そしてハナになりたいと思いました。
子どもたちのあの瞳を見れば見るほど、強く思いました。

「みんながハナになり、子どもたちの幸せな未来を創りたい、それを表現したい、そんなわくわくするような場をみんなで共有したい」
この一心が実った夢のステージ、それが今回の舞台でした。


 この公演企画は、このような私たち在日同胞全ての思い、願いにより生まれた企画と思います。
長くなりましたが、この企画を自社の周年事業の柱として暖かくバックアップしていただいた、ハナ信用組合様に改めて感謝申し上げます。

そしてこのステージをより華麗に美しく飾るために努力していただいたのが、在日、韓国、日本の素晴らしいアーティストたちでした。
特に「全てをオリジナルで」と無理難題を持ちかけた私に、嫌な顔一つせずに共感し、音楽からダンス、台本の創作に全力を注いでくれたのが、金剛山歌劇団をはじめとした在日アーティストの人たちでした。
何よりも、改めて彼らには頭が下がるとともに、心から感謝しています。
カムサハムニダ。

次の投稿以降、公演の写真を順次アップしていきます。
皆さんどうぞお楽しみ下さい。